この記事では「電子錠」と「電気錠」の違いについて紹介しています。
最近の新築住宅では電子錠を導入するケースが増えています。従来のカギに比べて防犯性能が高く、車のスマートキーのようにボタンを押すだけで鍵が開き、外出時には自動で鍵が閉まるので大変人気が高い防犯製品です。
そんな電子錠ですが、「電気錠」と呼ばれているものもあります。今、あなたが想像しているものは「電子錠」でしょうか。それとも「電気錠」でしょうか。これらの違いは何でしょうか。また、実際に設置するなら、耐用年数や寿命も気になりますよね。
そこで本記事では曖昧にされがちな「電子錠」と「電気錠」の違いについて解説します。
「電子錠」と「電気錠」はなにが違う?
電子錠と電気錠には給電方法に明確な違いがあります。内部バッテリー式(電池など)のものが「電子錠」を指すのに対し、「電気錠」は他から電源を取って設置するタイプのものを指します。

電池かコンセントかというようなイメージですね
「電子錠」と「電気錠」の違いについて、より詳しい特徴に触れながら説明しましょう。
「電子錠」の特徴
「電子錠」は基本的にそれ単体で機能が独立していることが特徴です。
他の機器や給電設備などとのつなげる必要のないスタンドアローンなので、取付けが簡単なのもポイントです。

特殊な粘着テープでドアに張り付けるだけで使用できるものもありますね。
工事が必要な場合でも、2万円程度で設置できるので、電気錠にくらべて遥かに低コストで導入可能です。一般家庭だけでなく物件管理などでも、コスト面に優れているのはメリットですね。
取り付けが簡単な一方で、電池交換の手間がかかるのも電子錠の特徴です。従来のカギでは存在しなかった手間ですが、このひと手間を惜しまなければ、低コストでより安全で便利な暮らしが手に入ります。

「電気錠」の特徴
「電気錠」は本体、ドア、電源の3つを配線で繋いでいる点が特徴です。電源と直接つないでいるので電池交換などの手間はありませんが、導入時に専門の業者さんによる工事が必要です。

設置工事の目安として、戸建て住宅の場合、少なくとも10万円台はかかります。
オートロックなどの基本的な機能は電子錠と大きく変わりませんが、インターホンと一体型など、より高機能なものを求める方におすすめです。
費用や工事の必要性などから一般的な家庭での後付けはややハードルが高い印象ですが、電池の交換が不要であったり、電子錠よりも大掛かりな施錠が可能メリットがあり、より防犯性能が高いものが必要なシーンでは重宝します。
電子錠・電気錠の耐用年数・寿命
「電子錠」の耐用年数・寿命は特に定められていませんが、「電気錠」の耐用年数・寿命は7年と定められています。これは各メーカーの保証期間とは異なります。もうひとつチェックしたいのはバッテリーの寿命。こちらもあわせて解説して行きます。

「電子錠」も同様に7年という解釈もあります
電子錠の耐用年数・寿命
防犯錠の品質規定などを行う「日本ロック工業会」は、平成24年7月のガイドラインで、「電気錠」の耐用年数を7年と定めています。これはメンテナンスにより電気錠を安全に使用できる期間を表しています。
つまり、この期間を過ぎた電気錠は取り替えが必要ということになります。また、出入りが頻繁なドアはこの基準から除外されているため、もっと早い時期の交換が必要になります。保証期間とは異なる点にも要注意です。
「電子錠」というカテゴリーでは耐用年数について特に定められていませんが、建物に使用される全ての錠について規定しているガイドラインですので、「電子錠」も「電気錠」のカテゴリーに分類されると考えられます。
電子錠の保証期間
「電気錠」の保証期間については「日本ロック工業会」がガイドラインで1年と定めており、「電子錠」についても各メーカーがこれに準拠する形となっています。以下のメーカーの保証期間は、いずれも今のところ1年です。

バッテリーの寿命
バッテリーの寿命はメーカーごとに異なります。数値は1日10回動作した場合のものです。

最長で730日なので、単純計算で2倍の寿命の差がありますね。
まとめ
電子錠と電気錠の違いはおわかりいただけたでしょうか。
独立した機器であるかどうかがポイントですね。また、独立しているからこそ後付でも簡単に取り付けできるというが電子錠のメリットです。
それに対して電気錠は専門業者による取付工事や下見などで費用が掛かる反面、より頑強な防犯設備として機能するところがメリットです。
どちらも一長一短ありますが、取り付ける施設や求める防犯性能に合わせてどの機種を使うか選びたいですね。

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