この記事では電子錠と電気錠の違いについて紹介しています。
最近の新築住宅では電子錠を導入するケースが増えています。従来のカギに比べて防犯性能が高く、車のスマートキーのようにボタンを押すだけで鍵が開き、外出時には自動で鍵が閉まるので大変人気が高い防犯製品です。そんな電子錠ですが、電気錠と呼ばれているものもあります。今、あなたが想像しているものは電子錠でしょうか。それとも電気錠でしょうか。これらの違いは何でしょうか。また、実際に設置するなら、耐用年数や寿命も気になりますよね。
そこで本記事では曖昧にされがちな電子錠と電気錠の違いについて解説します。
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電子錠と電気錠はなにが違う?
電子錠と電気錠には給電方法に明確な違いがあります。内部バッテリー式(電池など)のものが電子錠を指すのに対し、電気錠は他から電源を取って設置するタイプのものを指します。電池かコンセントかというようなイメージですね。電子錠と電気錠の違いについて、より詳しい特徴に触れながら説明しましょう。
電子錠と電気錠の比較① 特徴
電子錠 | 電気錠 |
---|---|
・独立した機器なので、取り付け簡単 ・特殊な粘着テープで張り付けるだけのタイプもある ・工事の場合は比較的低コスト ・電池交換の手間がある | ・ドアや電源と繋ぐため、工事が必要 ・工事費用は高い ・一般的な家庭用ドアより大きなものでも対応可能 ・防犯性能が高い |
電子錠の特徴
電子錠は基本的にそれ単体で機能が独立していることが特徴です。他の機器や給電設備などとのつなげる必要のないスタンドアローンなので、取付けが簡単なのもポイントです。特殊な粘着テープでドアに張り付けるだけで使用できるものもあります。工事が必要な場合でも、2万円程度で設置できるので、電気錠にくらべて遥かに低コストで導入可能です。一般家庭だけでなく物件管理などでも、コスト面に優れているのはメリットですね。
取り付けが簡単な一方で、電池交換の手間がかかるのも電子錠の特徴です。従来のカギでは存在しなかった手間ですが、このひと手間を惜しまなければ、低コストでより安全で便利な暮らしが手に入ります。
電気錠の特徴
電気錠は本体、ドア、電源の3つを配線で繋いでいる点が特徴です。電源と直接つないでいるので電池交換などの手間はありませんが、導入時に専門の業者さんによる工事が必要です。設置工事の目安として、戸建て住宅の場合、少なくとも10万円台はかかります。オートロックなどの基本的な機能は電子錠と大きく変わりませんが、インターホンと一体型など、より高機能なものを求める方におすすめです。
費用や工事の必要性などから一般的な家庭での後付けはややハードルが高い印象ですが、電池の交換が不要であったり、電子錠よりも大掛かりな施錠が可能メリットがあり、より防犯性能が高いものが必要なシーンでは重宝します。
電子錠と電気錠の比較② セキュリティ
電子錠と電気錠は、物理的な鍵や錠前の代替として使用されるセキュリティデバイスですが、異なる仕組みとセキュリティ特性を持っています。以下に、電子錠と電気錠のセキュリティの比較を示します。
電子錠 | 電気錠 |
---|---|
・高度なセキュリティ機能を提供できるため、生体認証や暗証番号を使用してアクセスを管理することができる。 ・アクセスログの取得やリモートアクセス管理も可能。 | ・物理的な鍵と同様のセキュリティレベルを提供するが、高度な認証や監視機能は一般的に備えていない。 |
要するに、セキュリティにおいては、電子錠は高度な認証手段と柔軟性を提供し、アクセス管理を効果的に行うのに適しています。一方、電気錠は便利さと物理的な制御を組み合わせたもので、適切な物理的な安全対策と組み合わせて使用することが重要です。どちらのオプションも、特定の用途に合わせて選択する必要があります。
電子錠と電気錠の比較③ 耐用年数・寿命
電子錠の耐用年数・寿命は特に定められていませんが、電気錠の耐用年数・寿命は7年と定められています。これは各メーカーの保証期間とは異なります。もうひとつチェックしたいのはバッテリーの寿命。こちらもあわせて解説して行きます。
電子錠 | 電気錠 |
---|---|
規定なし、メーカーごと | 7年、JLMAで規定 |
電子錠も同様に7年という解釈もあります。
防犯錠の品質規定などを行う「日本ロック工業会」は、平成24年7月のガイドラインで、電気錠の耐用年数を7年と定めています。これはメンテナンスにより電気錠を安全に使用できる期間を表しています。つまり、この期間を過ぎた電気錠は取り替えが必要ということになります。また、出入りが頻繁なドアはこの基準から除外されているため、もっと早い時期の交換が必要になります。保証期間とは異なる点にも要注意です。
「日本ロック工業会」の規定
- 電気錠は7年
- 使用が頻繁な場合は7年未満で、必要に応じてメンテ・交換する
- メーカーの保証期間=「日本ロック工業会」の規定ではない
電子錠というカテゴリーでは耐用年数について特に定められていませんが、建物に使用される全ての錠について規定しているガイドラインですので、電子錠も電気錠のカテゴリーに分類されると考えられます。
保証期間
電気錠の保証期間については「日本ロック工業会」がガイドラインで1年と定めており、電子錠についても各メーカーがこれに準拠する形となっています。以下のメーカーの保証期間は、いずれも今のところ1年です。
保証期間1年の電子錠
- Qrio Lock
- Sesame mini
- Akerun Smart Lock Robot
- スマートリムロック
バッテリーの寿命
バッテリーの寿命はメーカーごとに異なります。数値は1日10回動作した場合のものです。
メーカーごとのバッテリー寿命(1日10回動作した場合)
- Qrio Lock:365日以上
- Sesame mini:510日
- Akerun Smart Lock Robot:730日
- スマートリムロック:365日
最長で730日なので、単純計算で2倍の寿命の差がありますね。
電子錠と電気錠の比較④ 用途
電子錠と電気錠は、さまざまな用途において異なる要件に対応するために使用されます。以下に、それぞれの用途における電子錠と電気錠の比較を示します。
電子錠 | 電気錠 |
---|---|
主にアクセス制御とセキュリティの向上が必要な場所で使用。ホテルの客室、オフィス、個人の住宅、スマートホームなどで見られる。 | 一般的には、電子錠よりも単純な用途に使用。建物の入り口やドアの制御に使用され、電気的な制御を提供するが、高度なアクセス管理が必要な場合には適していない。 |
要するに、電子錠と電気錠は異なる用途に向いており、セキュリティと便益のバランスを考慮して選択することが重要です。特定の用途に最適なソリューションを選択するために、セキュリティニーズと操作ニーズを評価することが重要です。
電子錠と電気錠の比較⑤ コスト
電子錠と電気錠のコストは、多くの要因に依存して異なります。以下に、それぞれの種類の錠のコストに影響を与える主要な要因を示します。
電子錠 | 電気錠 |
---|---|
高度な認証機能やリモートアクセス管理を提供するためのソフトウェアとハードウェアが含まれているため、一般的に電子錠は電気錠よりも高価。 | 簡単な電気的な制御が必要な場所で利用されるため、一般的に電気錠は比較的低コスト。 |
一般的に言って、電子錠は高度なセキュリティ機能やスマート機能を提供するため、電気錠よりも高価であることが多いです。ただし、電気錠のコストは、単純なアクセス制御が必要な場合には比較的低い場合があります。
コストを比較する際には、具体的なニーズと要件に合った錠の種類を選択し、製品の品質や信頼性を優先考慮することが重要です。また、設置と保守のコストも考慮に入れることが大切です。
まとめ
電子錠と電気錠の違いはおわかりいただけたでしょうか。独立した機器であるかどうかがポイントですね。また、独立しているからこそ後付でも簡単に取り付けできるというが電子錠のメリットです。それに対して電気錠は専門業者による取付工事や下見などで費用が掛かる反面、より頑強な防犯設備として機能するところがメリットです。どちらも一長一短ありますが、取り付ける施設や求める防犯性能に合わせてどの機種を使うか選びたいですね。